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ワイパーやホーンなど電装品が暴走するアルファロメオ145(GF-930A534)


近年稀に見る鮮やかな彩りを見せた向かいの古刹の紅葉や桜、千本通りの銀杏の葉は、連日の雨天でほとんどが散り落ちてしまいました。

日本の夏の暑さ、冬の寒さが厳しいのは、気温の高低差に加えて異常な高湿度にあります。ここ最近は集中的な豪雨に見舞われることも多くなりました。ほんの数ヶ月で何十℃も気温が変化して、ずっと湿度が高いままという気候は世界でも類がないでしょう。

本格的な冬の到来を目前に彼の国の工業製品、アルファ145は悲鳴をあげました。「スイッチ操作をしていないのに前後のワイパーが勝手に動き出して止まらなくなった。そして、その晩はキーを抜いているのにクラクションが鳴りっぱなしになったりと、電気系統の動作が異常で不安なので診てほしい」とのご相談です。

平成12年式 GF-930A534 2.0 TwinSpark 5MT 走行距離 124,000km

国産車ではまず経験しない不具合です。突然クラクションが鳴りっぱなしになるので、バッテリーのターミナルは離脱され、レッカー搬送されて参りました。

バッテリーを接続してキーをONすると、ワイパースイッチの位置に関係なく高速で動き出します。この症状はワイパーのレバースイッチを離脱しても止むことはありませんでした。すなわちスイッチをバイパスしてワイパーモーターへ通電されているということです。

該当するヒューズやリレーを取り外すと、作動は止まります。

クラクションが鳴り止まない症状が時々出るとのことを考えると、電源が集中しているヒューズボックス内部で不調が起こっている可能性が高いでしょう。以前に、シトロエンC4でいろいろな電気系統の不調が一度に出た事例がありました。こちらもヒューズボックスの不調でした。C4はコントローラ内臓。アルファロメオはどうでしょうか。シトロエン C4 エンジン不調の原因は… (B5RFJ)

電装系の不具合より気になったのはガソリン臭です。

燃料タンクを車両下から覗き込むと、樹脂製タンクのあちこちにガソリンのにじみが見られます。アルファロメオに限らず、同様の形式の燃料ポンプを内蔵したイタリア車、フランス車にはよくある事例のようで、入庫台数の少ない当方でも数例経験があります。このような非常に危険なものがリコール届出されていないことを不思議に思います。

ヒューズボックスと、燃料ポンプ取り付けの一部部品が生産供給停止とのことで、お客様にはご判断をお願いしました。

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