先々月の車検整備でお伝えしていました、ウォーターポンプからの微弱なクーラント漏れの修理です。
平成17年 DBA-GSE20 4GR-FSE 走行距離70,000km
前回入庫いただいてから1,000kmほどの走行距離でしたが、やはり微弱なクーラントレベルの低下が確認できます。エンジンの冷却を担う大切な液体ですから、ひどくならないうちに交換すると安心です。
エンジンの下側から点検すると、ウォーターポンププーリーの下に僅かなピンク色の固形物が確認できます。この固形物は微弱な漏れの特徴で、エンジンの熱で乾燥して、不揮発分が固形化してしまうようです。
ウォーターポンププーリーを取り外しますと、漏れが比較的進行している様子がわかります。
ウォーターポンプに到達するためにはサーモスタットハウジング、補機ベルト、補機ベルトのテンショナー、エンジン前部に配置しているコントロールユニットを離脱する必要がありました。
ファンベルトのテンショナーのボルトは左ネジになっていて、危うく壊してしまうところでした。緩めようとした方向が締める方向で、ガッチリ動かないので気がつきましたが、緩まないからと大きなトルクを掛ければボルトに塑性変形を与えかねません。テンショナーは高価な部品な上、交換には多くの部品を取り外さないといけません。
V型エンジンのウォーターポンプは、左右バンクに行き渡る構造のためこのような長い形状をしています。
同時にサーモスタットの交換も行いました。
輸入車によく見る樹脂ハウジング一体型の構造です。サーモスタット中心の金属軸は樹脂の筐体に支えられ大きな力が掛かります。
クーラント管理の良くない車両では、折損して開弁不良に陥り、エンジン過熱する例をたくさん見ましたが、トヨタ品質では問題ないということでしょうか。新しいエンジンクーラントを注入し、完全冷却して液面レベルを合わせます。明日の午前に修理完了します。
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