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セレスピードの不調(アルファ156GTAワゴン GH-932BXB)

以前からご相談を受けていましたセレスピードの不調を抱えたアルファ156ワゴンです。

平成16年式 GH-932BXB V6 3.2 Selespeed 走行距離 100,000km

セレスピードは、運転者の代わりにマニュアルトランスミッションの操作をするロボット変速機です。クラッチの断続操作もその機構に含まれますから一般的なオートマチックと同じ2ペダル。


不調時の症状は、アイドリングで停車中、ガタガタと車体が震えた後、ガツンと衝撃が加わりエンストするというもの。エンスト後、セルモーターが回らない再始動不能なときもあるとのことです。

そして不調は気まぐれで、全く症状の出ないときもあるらしく、再現性に乏しいのも原因追究に時間がかかる理由の一つでしょう。専門店といわれる店に相談しても、可能性のある部品を総取替する見積もりしか提示されず、それでも直らない可能性も示唆され、お客様は困惑されたご様子でした。

最初に拝見したは8ヶ月前。セレユニットに至る集中コネクタが少し無理なレイアウトに見えたので、配線に余裕を持たせた処置を行いましたが、その後症状に目立った変化はなかったとのこと。

前回は症状を体感していませんでしたので、今回は体感から始めようとイグニッションキーをひねります。ところが、つい先ほどまで起動していたナビゲーションが全く動きません。お客様はエンジンをかけると画面が出てくるはずとおっしゃいます。国産車ディーラーで取り付けたというナビゲーション。それ以降、3日ほど放置するとバッテリーが上がってしまうようになったと。対症療法的にキルスイッチをバッテリーターミナルにつけているので、長時間放置の際はキルスイッチを操作して欲しいと特殊事情を伺いました…

暗電流は0.5Aを指しています。確かに2~3日でバッテリーは干上がってしまうでしょう。セレスピードの異常の前に、先にこちらを見ろとのお告げ?導かれるまま拝見しましょう(笑)

センターコンソールのサイドカバーを開けると、全く整頓されていない配線がぐちゃぐちゃに詰め込まれていました(汗)

電源が入っていないようだったので本体から電源ラインを探ると、電源配線だけ異常に短く、今まで無理が掛かっていても何とか接続されていたのでしょう。入庫と同時にギボシ接続が離脱したようです。無理のないよう延長線を追加します。

そして、何が何だかさっぱりわからない電線をいろいろ探っていると、他人が手を加えた、どこに接続されているか不明な常時12Vの電源ラインを発見しました。ナビゲーションと関係があるのか、他の追加機器のものなのかもわかりません。というか辿るのが億劫です。

しかし、この不明の電源線を離脱すると暗電流は0.0Aになり、謎のバッテリー上がりは解消されるでしょう。

後付けの機器のことは持ち主様がよくご存知ですから一旦この状態でお返ししますね。

セレスピード診断は後日。

次回『セレスピートの不調 その2(アルファ156GTAワゴン GH-932BXB)』に続く

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