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燃料計が時々不調になる 日産 マーチ12SR AK12 の修理

以前からご相談を受けていました燃料計の不調を抱えた日産マーチ12SR

平成19年 DBA-AK12 CR12DE(Tuned) 5MT 走行距離 47,000km

「メーターパネル内の燃料計が時々不調になり、ひどいときは残量警告が点灯する。実際の量より低い残量を示すことが多いので、概ね走行距離で航続距離を管理している。車を静止させてた状態でもイグニッションON-OFFするたびに指示値が変化する。以前は満タン近いと症状が出にくかったが、最近はその傾向は薄れて、不調の頻度も増してきた。」とのことです。

コクピットに備わるナルディクラシック(ディープコーン)の存在感がいいですね(^^) 少し動かすだけで使いやすさが伝わります。

さて、以下、受け入れ時の状態です。イグニッションを捻るたびに指示値が異なります。ひどいときは空の状態です。
水平な位置でこのような不規則な動きをするものですから、燃料残量表示のシステムのどの部位かを特定するのが難しそうです。

故障の可能性が最も高い、センダーユニットの点検からはじめます。

ところが、このセンダーユニット、燃料ポンプの組立品としての供給しかなく、燃料ポンプが傷んでない状態での交換はお客様への経済的な負担が大きすぎます。修理になかなか踏み切れなかった最大の理由です。

お客様とご相談の結果、点検するにもポンプを車両から離脱しないといけないので、過走行車の燃料ポンプを格安で入手いただき、不良箇所が明らかにセンダーユニットと判明すれば、その時点で部分移植をしようということになりました。

欧州車に見られる樹脂のネジ式ベゼルでポンプ本体はタンクに固定されています。
アルファロメオ用に用意しているベゼルリムーバが役に立ちました。

元装着されていたセンダーユニットは、可変抵抗の摺動面と直角方向の力をフロートに受けると、抵抗値が大きく、場合によっては断線してしまうことがありました。リサイクル品は同様の力をフロートに加えても抵抗値が安定しています。

わずかな燃料の動揺で抵抗値に変化が生じ、指示値が実際より少なめに表示していたのでしょう。

そして、燃料タンク内部にうっすらと汚れが確認できました。この汚れが影響していた可能性があると思います。給油場所を適切にしていただくようアドバイス申し上げました。