車検整備(24ヶ月点検、保安検査)でお預かりしている三菱 ミニキャブバン
平成12年式 GD-U61V 3G83 5MT 走行距離 88,000km
24ヶ月点検項目のひとつ、エンジン補機ベルトは著しい亀裂がありましたので交換します。
ミニキャブの3G83はパワーステアリングベルトのテンショナーがベルト背面を押すタイプで屈曲が激しく、社外品は耐久性に劣るものがありますので無難な三菱純正品を使用。
ベルトを取り外した状態で回転部分の点検。入庫時、けたたましい金属音を発していたのはエアコンコンプレッサー駆動ベルトのテンショナープーリーからでした。ベルトを取り外してプーリーを空回しします。このわずかな異音がエンジン稼動時には非常に耳障りな音に変化します。
プーリー内部には汎用ベアリングが圧入されていますので、優良メーカーのベアリングに打ち替えを実施。
さらに点検を進めます。項目のひとつ、ブレーキ装置。リアタイヤの奥に配置されるドラム式ブレーキ。ホイールシリンダと呼ぶ油圧シリンダからブレーキフルードが滲んでいました。ホイールシリンダを新品に交換します。
ドラム式ブレーキというと旧式のイメージをお持ちの方が多いかもしれませんが、リアブレーキに関してはまだまだ主流のブレーキ機構です。リアがディスク式ブレーキの方が少数。
ドラム式ブレーキは、ずいぶん歴史のある機構で、各部品の品質は近年格段に向上しました。
その昔、シリンダ内のゴム部品の質が現在ほどよくありませんでした。そのため車検毎に交換する慣習がありましたが、現在はその必要はないでしょう。
今回のように点検でフルード漏れが発見された場合、腐食が原因でシリンダに著しい損傷がある場合がほとんどですから、ゴム部品の交換では治りません。ゴム部品(俗にカップキットといいます)の供給がなく、ホイールシリンダASSYのみの供給しかない車種が増えているのがその証拠と思います。
ばらばらになったドラム式ブレーキの部品。組み立て、調整には熟練が必要で、不適切に組まれたものを多く見かけます。
その他すべての点検整備を終えて、軽自動車検査協会へ。5月も最終週になってずいぶん混雑してきました。
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