車検整備では初めてお預かりした日産バネット(マツダ ボンゴ OEM)。
平成14年式 GE-SK82VN F8 4AT 走行距離 130,000km
「車検整備では」と申しますのは、諸事情でエンジンオイル交換のみご来店いただいておりました。
車齢12年、走行距離10万キロ超で一般的には代替の時期かもしれません。エンジンオイル交換でご来店時、エンジンルームを覗き込むと、他所で行われる車検整備の内容が僕にとっては不十分なことは承知していました。
整備内容が不十分であっても、国産車であれば、この走行距離までは十分耐用するでしょう。しかし、お客様のご事情でそれを越えて使用するという場合、もう手遅れという場合が少なくありません。
実は、今回のような入庫もあるといけないと思い、水冷式エンジンの生命線といえるロングライフクーラントだけは見過ごせず、エンジンオイル交換の度ごとに、サブタンクとラジエータアッパータンクの簡単にできる一部を交換しておきました。年間1万キロほど走行されますので、部分交換といっても、年に数回は新しいものを注入され、それを新車近い頃から続けていましたから、ラジエータ内部はご覧のとおり全く詰まりも汚れもない綺麗な状態でした。
マツダF8エンジンは、鋳鉄のシリンダブロックですからクーラントが劣化すると瞬く間に赤錆が発生して水路全体を腐らせます。水路の腐りは、クルマの腐りと同等。水路の腐りさえ回避すれば、延命は比較的簡単です。
車検整備を終えて、京都運輸支局検査コースへ。今日の気温はエアコン必須。ところがエアコンコンプレッサが頻繁に断続してほとんど冷気が出てきません。
店に戻ってゲージマニホールドを接続するとコンプレッサーオン時、みるみる高圧側が25キロ以上に上がり、プレッシャーリミットスイッチが働きます。
「エアコンガスいれてください」
とお客様からのメモ書きは、その通りにしても意味がなさそうです。ガソリンスタンドなどでエアコンガス過充填の懸念もありますので、一度エアコンガスを全量抜き取り、規定量注入。しかし高圧側、低圧側も高い数値のままです。コンデンサファンが故障して回らなくなったときと状況が似ているので、車両前部に水平配置されているコンデンサを目視。
外観は、それほど汚れいているように見えませんでしたが、コンデンサファンを取り外して風向きと逆にエアブローすると、夥しい量のホコリがフィンの間から出てきました!
すっかり冷気が出るようになり、またしばらく快適にご使用いただけそうです。
そしてファンベルトは、日産バネットでもマツダ純正を。
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