急な上り坂でクラッチが滑るようになったとのことで緊急入庫しました。
平成11年式 GF-U61W 3G83 5MT 走行距離 130,000km
こちらのクラッチ機構オーバーホールは、標準作業時間2時間程度の軽微な作業です。U61系トラック、バンはクラッチ交換に限らず、各部整備性に優れ、長年にわたって基本構造に変更を加えない好感の持てる車種です。要するに整備士が「熟練」可能なのです。
構造や機構が複雑になりすぎたり、不要と思えるモデルチェンジなど様変わりが激しく感じる他車種と対照的。往年のキャブレータ車のエンジンルームを覗き込んだときと似た、「自動車はこんな簡単(な構造)でいいんだ」という感覚を覚えます。
エンジンとトランスミッションの結合部に配置されるクラッチ機構のオーバーホール、U61の場合はトランスミッションの離脱だけで作業できますが、車種によってはエンジン離脱を必要とするなど難易度はまちまち。補助具不要で無理なく担げる軽量コンパクトな三菱のマニュアルトランスミッションギアボックスは、トラブルが極めて少なく、適切なミッションオイルの交換管理で長期に渡りオーバーホール無しで使用できます。
取り外したクラッチディスクは綺麗に磨耗が進み、ちょうど限界付近に達していました。
パイロットベアリングの交換には一旦フライホイールを離脱します。
交換するクラッチ機構部品はもちろん純正のアイシン製。新品のクラッチを組み込むとウソのように軽快なペダルタッチ。勾配のきつい山坂道も安心して走行してください。
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