標準でH4のハロゲンバルブが装着されているホンダ アクティ。
車検入庫時、社外のHIDキットが装着されていました。
この様なコンバージョンキットはH4バルブ装着位置にマウントするための専用アダプタで固定するようです。写真にあるとおり、ハロゲンバルブ(左)とHIDバーナー(右)では形状が全く異なります。
このアクティのヘッドライトはH4ハロゲンバルブを元に設計されています。粗悪なH4バルブでも照射像が乱れるのにこれだけ形の違うHID光源では、配光特性はめちゃくちゃ… 乱れた照射像ですが、ヘッドライトテスターで最高光度点を測定しますと40,000cd。保安基準をクリアするには十分な光度は得られています。
ところが… 適切なH4バルブ(小糸製作所製)を装着しますと…
なんと最高光度は48,200cd!!
一見暗く感じるハロゲンバルブの方が高い最高光度を示します。光度[cd(カンデラ)]は、ある照射方向への光束立体角密度[lm/sr(ルーメン/ステラジアン)]です。自動車のヘッドライトのようにある方向を集中的に照らす光をあらわすのに適した数値なのでしょう。
HIDは光源そのものの明るさを示す光束[lm(ルーメン)]が非常に大きいので、点灯状態を正面から見ると非常に明るく感じるのですが、適切な配光が得られていない今回のような不適切な装着の場合、十分な光度が得られません。
夜間の運転者の視認性を向上させようという目的で装着された社外HIDバーナーですが、皮肉にも逆に暗くなってしまうのです。しかし、車の外からヘッドライトの点灯状態を確認すると明らかにHIDの方が明るく感じるので何か明るいものを装着したという満足感は得られます。
もちろん標準でHIDが装着されているヘッドライトは、この限りではありません。