プジョー 206 S16 法定12ヶ月点検でお預かりしました。
平成11年式 GF-T1S16 RFR 5MT 走行距離 55,000km
昨年末に燃料ポンプ締結ベゼルの破損で、満タン時に燃料が溢れ出る故障の修理を行いました。パッキンとベゼルの交換を実施、以後燃料漏れの症状は完全に治まったと伺い安心しました。
今回は総点検と、前回入庫時に気になっていた足回りのリフレッシュを実施します。フロントはマクファーソンストラット式、リアはトーションバースプリングを組み合わせたトレーリングアーム式です。
組み合わされるショックアブソーバはフロントには通常の複筒式窒素ガス封入タイプで、リアには非常に高い減衰力のオイルダンパーとなっています。社外品には優れたショックアブソーバがあるので、お客さまは併せてご検討されたようですが、ノーマルショックの乗り心地がよかったので、純正品をとのご希望です。
交換、調整後、フロントの車高が8~10mm上がり、非常にバランスのいい姿勢になり、試運転しますと特にリアの動きのしなやかさに驚きました。
オイルダンパーとトーションバーの組み合わせの効果でしょうか。社外品のショックアブソーバだとこの乗り味は出ていなかったかもしれません。各部点検し、ブレーキパッド残量小、スタビリンクロッドジョイントブーツの亀裂…
4番シリンダの若干のくすぶり… 右端スパークプラグが4番に装着されていました。接地極付近に黒くくすぶりが見られます。スパークプラグ、コイルは比較的新しいものが装着されていました。
タイヤの空気圧が高めでしたのでお客様に伺うともう少し低い空気圧をガソリンスタンドで指定したとのことでした。空気圧測定器の誤差は大きいのできちんとした計器での測定がよいと思います。
最後にメンテナンスインターバルのリセットと、車載コンピュータの故障履歴をチェックし、問題ないことを確認して、各部経過を観察いただくことにしました。
ショックアブソーバの機能不全による乗り心地の悪化は変化に気が付きにくいものですが、新品に交換すると一気に良い状態に戻りますのでその機能低下が実感できます。今回もずいぶん乗り心地がよくなり、これがプジョーなんだと再認識しました。
この度は作業ご用命誠にありがとうございました。
池ちゃん says
こうして適正な足回りのラテン系自動車が増えることはとてもうれしいです
206はどんな脚になったのでしょうか?
とても興味をそそられます
アルファロメオ156は元気に走っています
15万キロも越えました
足回りはしなやかで僕の運転では破綻は程遠いです
エンジン音はV6のアルファサウンド
的確な整備にいつも感謝しています
たけし says
池ちゃんさん
輸入車に限らず、ショックアブソーバの機能不全を抱えたままの自動車は非常に多いと思います。
ショックアブソーバの液漏れなど目立つ損傷が無い場合、乗り心地悪化程度で、車検の合否に関係の無い部分であるからかもしれません。
また、足回りの改変といえば、すぐにコイルスプリングやスタビライザなどバネ系を変更してしまう間違った手法が多いですね。
輸入車は特に純正装着のショックアブソーバの機能に不足はありませんから、軸足を工場出荷時とすることが大切だと感じます。
156もなかなかお目にかかれない走行距離になってきました。こちらこそいつもお世話になりありがとうございます。