平成18年式 BMW E87 130i 車検整備 走行距離130,000km
車載の整備手帳を見ると、エンジン冷却水(ロングライフクーラント)交換不要の文字が…
フォルクスワーゲンもそうですが、交換不要の文字が掲載されていて違和感を感じます。有毒有害な廃棄物低減の観点から、超長寿命のエンジン冷却水(ロングライフクーラント)が近年の主流です。国産車では初回7年、16万キロ。10年、20万キロ(いずれも期間、距離どちらか早いほう)など、従来とは異なる長期間の記載がありますが、交換不要とは書いていません。
エンジン冷却水は不凍性能に注目しがちですが、凝固点降下を担う主成分のエチレングリコールはそう簡単に分解しません。重要なのは防錆性能。経験的なものですが、熱負荷の積算と防錆性能の低下に強い相関があるように感じます。
冷却水路に多用される樹脂、ポリアミド(PA66)は、防錆性能が低下し、異臭(腐食金属臭)を放つようになったクーラントに長期間晒されると著しく劣化し、内部侵食、柔軟性低下(要するに脆くなります)します。このような劣化したクーラントが原因で起こる冷却水の漏れが始まったクルマは冷却系統は全損と考えて差し支えないでしょう。
特にBMWはホースジョイントやその他、他メーカーと比較してポリアミドの使用箇所が多いように感じます。今回の車検では、もちろん全量交換を実施いたしました。