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スズキ エブリィ エンジンブロー→中古エンジン換装(LE-DA62V)

スズキ エブリィです。オイルランプが点灯した状態で高速道路を走行し、エンジンからひどい異音を発するようになったという車両です。

元々オイル消費の激しい車両でしたので、こまめな点検が必要でしたが、残念な結果になってしまいました。

慌ててエンジンオイルを補給されたそうですが、マフラーからの激しい白煙と、エンジンの激しい打音は改善するはずも無く、一旦入庫いただくことになりました。

平成15年式 LE-DA62V 4WD 3AT 走行距離143,000km


車検後間もないということで修理を選択されましたが、走行距離から考えると変速機その他駆動系の痛み具合も心配です。できるだけ修理費用を抑えられるよう、程度のよさそうな中古エンジンへの換装をご提案させていただきました。

しかし、営業で使われていることが多い同車種。メンテナンスの行き届いた走行の少ない中古エンジンは市場にほとんどありません。適合不明な部分はあったのですが、長期放置できませんので、見切りで同年式の MT 2WD用エンジンを取り寄せました。

到着したエンジンを見て、バルブカバー、一部のセンサー、インジェクター、ISCVなど様々な部分が違い、少し不安になります。

オイルパン形状にも違いがあります。


ワイヤーハーネスのコネクタピン数も違うことが判りました。エンジン制御系を丸ごと移植する方法が一番安全(確実?)でしょうか。

↓ほとんどのエンジン制御部品はインレットマニホールドに集中しています。

幸いインマニ取付面の寸法に相違はありませんでした。

燃焼室やシリンダヘッドの細かい形状の違いはあっても、制御系を全移植するのですから動作に大きな問題は起こらないだろうという判断です(メーカーエンジニアの方、大変な間違いをしていたら是非ご指摘ください)。昔に比べれば配管や配線は少なくなりましたが、やはりエンジン換装となると大変です。あと、トランスミッション取り付けに際して多少加工が必要な部分がありました。

エンジンオイル、LLCを満たし、エンジン始動。一発でエンジンに火が入ると安堵に包まれます。水温が安定してから試運転しますが特に問題はなさそうです。お客様に説明申し上げ、経過観察中。

さて、一番損傷のひどかったNo.1シリンダコンロッド大端部。メタルが溶けてクリアランスがガタガタでした。

以前からあったと思われるエキマニのクラックも確認しました。

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