マーチ12SRです。
「エンジンが完全に暖まるまでエンジンの吹き上がりが不調でエンストしそうになる。不調なときは水温が低いときの緑のランプが不規則に点滅する。完全に暖機されると全く不調は感じない。」
という不具合でお預かりしました。
平成19年式 DBA-AK12 5MT 走行距離23,000km
入庫いただいたときはすでに暖機が進んでいて、不調が感じられるほどではありませんでしたので、一晩放置して翌朝にデータモニターすることにしました。外部診断機を接続してまずフォルトコードのチェックしますが、現在にも過去にもコードの記憶はありませんでした。
次にデータモニターです。特に水温やインジェクタの作動時間などを中心に見ていきます。完全に暖機が終了すると症状が出なくなるとのことですので慎重に点検を実施することにしました。
エンジン始動直前の水温は20℃の表示。
水温緑ランプ(水温低)が消灯するのは55℃でした。
ここまではファーストアイドルが効いて特に不調を感じませんでしたが、水温緑ランプが消灯してしばらくするとラフアイドルと共に緑ランプがちらちらと不規則に点滅し始めました。
吹き上がりも確認しますが円滑には吹き上がらず、時にエンストすることもあります(再始動は容易)。マフラーからの排気ガスはガソリン臭く、過濃であることがうかがえます。データーモニター上では、水温表示が-30℃~70℃付近をめまぐるしく変化していました。
不調ながら暖機は進んで行き、表示が84℃になった時点で不調は治まり、吹き上がり、アイドリングとも安定しました。
次にアクティブテストで擬似水温をエンジンECUに入力します。低水温側に振っていくと、完全に同じではありませんが、同様の症状が見られましたので、水温センサー系統の不具合には違いないでしょう。
しかし、データモニター上で-30℃と振り切っている時があるのに(断線と等価と思うのですが…)フォルトが立たないとはいかがなものでしょうか?
ここまで調べたところで日産ディーラーに問い合わせました。
保証修理の対象になるとのことですので、状況を伝えてその後の処置はお任せすることにしました。もし保証期間が終了していたらまず安価な水温センサーの取替から始めるべきでしょうか?暖機中という限られた時間でしか不具合が出ない故障だけにきっちりと調査するにはとても時間がかかりそうです。