スズキ ワゴンRです。初代のターボモデルでまだまだ人気があり、今だ街を走る姿を見かけます。
初代のワゴンRは非対称なエクステリアデザインで、その後継モデルにはない個性が光ります。きっちり整備すればまだまだ現役で乗ることも可能です。
さて、今回の車両、錆びた水のようなものがエンジンから滴ってくるということです。クーラント管理の良くない車両を中古で購入され、僕はお客様に、クーラント管理の重要性と、現在のお車の状態をお伝えしていました。
平成7年式 CT21Sターボ 走行距離130,000km
初めて拝見したとき、クーラントリザーブタンク内の液体は錆色で、クーラント着色(緑)の面影がありませんでした。
鋳鉄製シリンダーブロックのエンジンクーラントを長期間交換せずに放置しておくと、腐食が著しく進行し、冷却系等全体に深刻なダメージを与えます。
スチール配管の腐食はもちろん、ラジエーター、ヒーターコアの詰まり、冷却性能低下による樹脂配管、樹脂タンクの熱劣化などなど…
全ての冷却系等をリフレッシュするには相当な費用がかかりますから、定期的なクーラント交換が重要になります。
今回はタービン軸の付近に装着されている二股のパイプのピンポールでした。
エンジンをかける前にお客様がお気づきになられましたのでオーバーヒートという最悪の事態は避けられました。
しかし冷却系等の痛みは深刻です。今回の修理は部分的な応急処置だということをお伝えしてお渡ししました。
こばやし says
私のct21sもひどい赤錆が発生してどうしようか迷っているところです。何度もキャップ口から水洗いをしても常に錆が発生するので切りがなく、ドレン口も見当たりません。このままだと水路を詰まらせてオーバーヒートで終わりそうなので、クエン酸を投入して少しずつ錆落としをしてから濃縮クーラントを加えていく予定です。実際に冷却劣化というのは水温計だけでは判らないかも知れません。
たけし says
こばやしさん、コメントありがとうございます。
CT21Sはラジエータのドレーンコックはありません。ラジエータのロワーホースを取り外してクーラントを排出させます。クーラントが錆び色している場合はロワーホースジョイントもぼろぼろに腐食している場合がほとんどで、離脱も慎重に行うか、新品のパイプを用意するとよいでしょう。
弱酸の投入は決壊しかかっているかもしれないヘッドガスケットにとどめを刺す可能性もありますからお勧めいたしません。つまりを防止することは逆に錆で止まっているリークをひどくする作用があるからです。
濃縮クーラントも界面張力低下でリークを誘発する可能性があります。
お察しの通り水温計はクーラント劣化の指標にはなりません。定期交換が必要です。
クーラント劣化はクルマにとって極めて深刻な事態です。規定濃度のクーラントをこまめに(半年ごとに)交換してかなり回復した事例がありますので、ご参考に。