たけし:「結構振れてるでしょ?特に内側。」
コルソU氏:「ほんまですねぇ。実はこのホイール、有名ブランドの廉価品なんですよ。そんなに悪くないモノと思ってたんですけど、一応メーカーに報告しておきます。」
ランチアデルタを筆頭にイタリア車・フランス車のメンテナンスで有名なコルソマルケさん。高速走行時に微振動が出るとのことで、以前の対談でご相談あったシトロエン C4 ピカソに装着されているタイヤホイールセットは、国産タイヤと社外有名ブランドホイールの組み合わせでした。
特別対談 「コルソマルケ×修理屋たけしくん」 ~クルマの楽しさと、共通する仕事観~ (中編)
200rpmほどで回転するホイールバランサーにセットしたタイヤホイールを二人で眺めながら、目視で明らかに振れているホイールリムの縁を確認しました。これは4本とも同程度で、重量バランスを入念に調整したとしても、高速走行時に微振動の完全解消は難しい印象です。
たけし:「こんな風に0gと表示してもね、この機械は10g未満の計測値は切り捨てるので、20gのダミーウエイトを貼って、切り捨てた値を出すんです。」
コルソU氏:「校正しながら計測したはるんですね。」
たけし:「はい。重量バランスは、こんな風に20±4gまで調整しています。意匠面にウエイトを貼らず、リムの内側に多めのウエイトを貼る場合は、誤差が大きいので、必ず隠れた値を確かめています。」
コルソU氏:「なるほど。」
たけし:「お持ちいただいた状態と、僕が今計測したのを比べると、10g程度の違いがあったもの2本と、90度ほど貼る位置が異なっていたものが2本でした。」
コルソU氏:「10gくらいやったら、体感差はないでしょうね。貼り付け位置が異なっていたものに振動軽減の期待をします。」
たけし:「そうなっていればいいですね。」
コルソU氏:「えーっと、どれがリア側やったかな。あ、これとこれですわ。ピカソってリアはトーションビームやからアライメントの調整はできないんですけど、結構内側が減るんですよね。高速走った後なんかはフロントより明らかにリアタイヤの発熱が大きいんです。」
たけし:「その偏摩耗は僕も気になっていました。特に右側のリア。ホイールリムの内側の振れも影響しているのかもしれません。ちょうど事故修理のクルマから取り外したトーションビーム(国産車)がありますわ。とても大きいブッシュが使われていて、路面からタイヤに伝わる力でブッシュを変形させて積極的にアライメント変化させている様子がわかります。ピカソもそうなのかもしれませんね。」
コルソU氏:「この交換される純正ショックはKYBですか?」
たけし:「あ、多分そうですね。」
コルソU氏:「お客さんで、ショックアブソーバのメーカーにお勤めの方がおられてね、ショックロッドのフリクション(摩擦)にノウハウが詰まっているとお話しされていました。ストラット式でコイルスプリングとショックアブソーバの軸がオフセットされているものは、ご承知の通り動きを滑らかにするのに必要な構成で、そういう観点で車高調なんかは論外ですが、横方向の力が掛かったときのフリクションが『乗り味』にすごく影響するんだそうです。」
たけし:「へー、そうなんですね。とても興味深いです。僕が小さい頃作っていたラジコンのサスペンションが、ゴムリングのフリクションでコイルばねの振動を減衰させるもので試行錯誤していたのを思い出しました(笑)」
コルソU氏:「ちょっとたけしさん、それって何歳のときなんですか?『減衰』って(笑)」
たけし:「確か12~13歳(笑) 減衰なんて難しい言葉は当時知りませんでしたが、摩擦抵抗で随分変わるんやなーって(笑)いつも楽しい話が尽きませんが、とにかく微調整したタイヤホイールで一度お試しください。」
コルソU氏:「はい。またご報告させていただきます。」
《続く》
↓コルソU氏がチョイスされていたタイヤは国産有名メーカーのコンフォートタイヤです。価格と性能がバランスされた良いタイヤです。
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